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トリクロロエチレン(第一種特定有害物質 揮発性有機化合物)

強力な洗浄力を持つトリクロロエチレンは、20世紀の半導体、機械部品製造産業において、その洗浄力の果たした役割は大きく、幻の洗浄剤ともいわれました。また20世紀初頭には、食品産業においても使用されており、ココナッツなどから植物油を抽出させる用途にも使用されていました。

人への健康リスクが問題になった1970年頃には、各国で食品産業での使用が禁止され、また、ドライクリーニング溶剤としても使用された歴史がありますが、1950年代にテトラクロロエチレンが普及し、ドライクリーニング産業での消費も減少しました。

しかし、半導体、機械部品製造産業にあっては、代替え物質として登場した1,1,1-トリクロロエタンが、1989年に発効されたモントリオール議定書に従って製造が中止された後は、再び使用されるケースが多く、現在も多くの事業所で利用されています。

トリクロロエチレンは、揮発性が高い常温不燃性の液体で、甘い刺激臭気を持ち、比重は水の1.46、水溶解度は1.290g/L、また、粘性は水の0.89cP(25℃)に対して、トリクロロエチレンは0.55cP(25℃)と少なく、この、水より重く、水より浸透し易い性質が、深く広く土壌地下水汚染を引き起こす原因となっています。

トリクロロエチレンによる汚染土壌の掘削除去工法について

汚染土壌の掘削除去場外搬出は、確実に早く有害物質を除去することができるため、トリクロロエチレンに限らず、多くの現場で採用されています。しかし、汚染土壌の掘削除去なので、重機による掘削、ダンプカーによる搬出という大規模な施工をともなうため、稼働中の事業所や、建屋を継続利用したいときには、不向きな工法といえます。

一方、トリクロロエチレンの揮発しやすい性質や、酸化剤による分解が可能な性質を利用した、原位置浄化工法は、施工に要する時間は長期化しますが、稼働中の事業所や、建屋があっても、安価に浄化できる技術も実用化されており、株式会社セロリでは多くの現場で実績を上げています。

トリクロロエチレンの毒性など

引用・参考文献
「事業者が行う土壌汚染リスクコミュニケーションのためのガイドライン」
(公益財団法人 日本環境協会 平成26年10月発行)

高濃度のトリクロロエチレンを長期間取り込み続けると、肝臓や腎臓への障害が認められ、比較的低濃度のトリクロロエチレンでは頭痛、めまい、眠気などの神経系への影響が認められています。国際がん研究機関(IARC)はトリクロロエチレンをグループ2A(人に対しておそらく発がん性がある)に分類しています。

トリクロロエチレンの基準値など

トリクロロエチレン(トリクレン trichloroethylene)
分子式:C2HCl3/分子量:131.39/比重:1.4649(20℃)/水溶解度:1.29g/L
土壌ガス定量下限値 (volppm) 0.1
土壌溶出量基準 (mg/L) 0.03
第二溶出量基準 (mg/L) 0.3
土壌含有量基準 (mg/kg) 基準値はありません
毒性 頭痛、嘔吐、麻酔作用、肝障害、発ガンの疑い
用途 金属機械部品などの脱油脂洗浄、溶剤(生ゴム,染料,塗料,油脂,硫黄,ピッチ,カドミウムなど)、殺虫剤、抽出剤(香料)ほか
その他 2011年から、トリクロロエチレンの水道水質基準は、0.03mg/Lから、0.01mg/Lに引き下げられています。
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